ルンピニースタジアムは、2014年にルンピニーからラムイントラへ移転されました。
ルンピニーにあった頃が旧ルンピニースタジアム、移転してからは新ルンピニースタジアムと呼ばれていました。
2021年に入ってからは、ルンピニースタジアムでのムエタイ興行は閉鎖または無期限の休止という情報も流れて、ムエタイ関係者の間では話題になっていました。
しかし、結局のところルンピニースタジアムでも13日からムエタイ興行が無観客で再開されました。
✅ กองทัพบก (kɔɔŋ tháp bòk) = 陸軍
タイ陸軍のムエタイに対する目標
ルンピニースタジアムはタイの陸軍の管轄のため、今後の動向も陸軍の方針に従うことになります。ムエタイ興行をやるかやらないかという議論もありますが、タイ陸軍として以下のような目標も発表されたようです。
①美しいアートとしてのムエタイ
เพื่อส่งเสริมศิลปะมวยไทยให้เป็นเอกลักษณ์ของคนไทย
「シンラパムエタイを促進することで、タイ人の特徴になる。」
✅ศิลปะ (shinrapa) = アート、芸術
✅ส่งเสริม (sòŋ sə̌əm) = プロモートする、促進する
✅เอกลักษณ์ (èekkalák) = 特徴
シンラパムエタイという言葉はたまに聞きますが、古式ムエタイのことを言います。または、美しく芸術としてのムエタイの意味としてシンラパムエタイと言われることもあります。ムエタイは世界最強の格闘技とも言われることが多いですが、単なる強さだけでなく、バランスや技の華麗さディフェンスなども重視されます。

今後も美しい華麗なムエタイが今後も受け継がれていくことでしょう。
②安定した職業としてのムエタイ
สร้างอาชีพให้แก่นักมวยไทยและสากลให้เป็นอาชีพที่มั่นคง
「ムエタイとボクシングの職業を安定した職業にする。」
✅สร้าง (sâaŋ) =作りあげる
✅มวยสากล (muay sǎakon) =ボクシング
✅มั่นคง (mân khoŋ) = 安定している
ムエタイ選手はジムに寝泊まりして、宿とご飯は用意されていますが、それ以外は試合ごとのファイトマネーで生活しています。基本的にファイトマネーの50%が選手本人、50%がジムの会長へ入ります。現在はもちろん試合が行われなければファイトマネーはもらえません。さらに有名な選手と無名な選手ではファイトマネーは雲泥の差です。20万バーツ以上の選手もいれば、1,000バーツほどの選手もいます。
そのため、当たり前ですがとても不安定です。
元々は貧乏な人が成り上がるための手段でもあり、本当のハングリー精神で闘っていたので、それが安定した職業に変わると、ムエタイ選手の意識にも変化が現れます。もし本当に安定した職業になった場合に、ムエタイが弱くなったと言われないように、良い方向に変化してくれることを祈ります。
ムエタイ選手が公務員として、給料や福利厚生が充実する日が来るのでしょうか。

ムエタイ選手が公務員になったらおもしろいですね!
③ボクシングの世界チャンピオンをつくる
สร้างนักมวยสากลแชมป์โลก
「ボクシングの世界チャンピオンを育てる。」
✅แชมป์ (chɛ́m) = チャンピオン
✅โลก (lôok) = 世界
ムエタイの強い選手を育てることももちろんですが、それ以上にボクシングの世界チャンピオンを育てることが1つの目標です。現在でもカオサイ・ギャラクシー、ウィラポン、またオリンピックで金メダルを取ったソムラックカムシンなどをはじめ、たくさんの世界チャンピオンを輩出してきました。
今まではムエタイをやりながらボクシングの試合をして、早く世界チャンピオンになれなければ、ムエタイに戻るということもありました。しかし、本格的にボクシングの世界チャンピオン輩出に乗り出したら、スゴイことになりそうです。

さらに世界チャンピオンがタイ人から出てきそうですね!
④同じ目的に向かって各機関と協力する
ร่วมมือกับสถาบันอื่นที่มีวัตถุประสงค์อย่างเดียวกัน
「他の機関・団体と協力して同じ1つの目標を持つ。」
✅ร่วมมือ (rûam mʉʉ) = 協力する
✅สถาบัน (sathǎaban)= 機関、団体
✅ วัตถุประสงค์ (wátthù pràsǒŋ) = 目的、目標
ムエタイ学校や大学などさまざまな団体や機関と協力して、光るものを持っている選手を発掘して育てていくシステムができたら、ムエタイ選手やボクシング選手の成功街道が変わっていきそうです。

ムエタイが国技としてタイ全体でさらに発展して欲しいです。
ムエタイと賭けは切り離せるのか
ムエタイの2大殿堂のルンピニースタジアムでは、今後タイ人はスタジアム内に入れずに観光客だけチケット収入のため入れるということも言われています。賭博場でのクラスター感染がさまざまな場所で起こっているタイでは、賭博に対するイメージも悪くなってきています。ムエタイスタジアム内での賭博は認められていましたが、ルンピニースタジアムでは賭けはなくなってしまうのでしょうか。
ただ、現代のムエタイは賭け師の掛け声やオッズの影響なども少なからずあります。また、密にはなってしまいますが、賭け師たちの熱狂的な盛り上がりがムエタイの魅力の1つでもあります。タイ人は何事も賭けるのが好きな生活のため、ムエタイもムエタイの賭けもタイの文化です。そのため、個人的にはムエタイと賭けは切っても切り離せないものだと思っているので、ムエタイの賭けは無くならないでもらいたいです。
ムエタイと賭けのまとめ
ルンピニースタジアムでムエタイの試合が無くなるか無くならないかということも気になりますが、もしムエタイが継続される場合に賭けが無くなるか無くならないかということも、とても興味深いです。確かに陸軍のスポーツ施設として運営していく場合には、賭けをするというのはよくないのかもしれません。
ムエタイと賭けについては、良い点・悪い点がありますが、いづれにしてもムエタイが良い方向に発展していってもらいたいです。
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