【最新版】ムエタイとキックボクシングの違いとは?

ムエタイ
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そもそもムエタイとキックボクシングって何が違うの?

最近はインターネットでも格闘技の試合がたくさん見られるようになりました。また、格闘技団体も増えてきて、立ち技格闘技でもさまざまなルールや特徴があります。K-1などでもタイのムエタイ選手が招聘されて試合が組まれることも多いです。一見すると違いが無いように見えますが大きな違いがあります。そもそも「ムエタイとキックボクシングでは何が違うの?」という素朴な疑問に、元プロで約7年半活動し、タイ国ラジャダムナンスタジアムでも試合経験のある筆者がお答えします。

※K-1、Krush、RISEなどはキックボクシングから派生した立ち技格闘技ですので、キックボクシングとはまた少し違います。今回は純粋なキックボクシングとムエタイの違いについて書いています。

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ムエタイとキックボクシングの違いとは?

ムエタイとキックボクシングの歴史とは

ピジュン
ピジュン

実は、実は、キックボクシングは日本発祥の格闘技なんです!

ムエタイキックボクシング
発祥タイ日本
歴史400年以上1996年
ベース軍隊の格闘技ムエタイ、空手、ボクシング

ムエタイの歴史

ムエタイ(タイ語: มวยไทย、英語: Muay Thai, Thai boxing)は、格闘技の一種で、発祥地・タイでは国技に指定されている。ムエタイの選手はナックモエという。両手、両肘、両脚、両膝の八箇所を用いて相手と戦う。

Wikipedia

ムエタイは400年以上の歴史があり、戦争の時に戦うための格闘技としても取り入れられていました。そして、軍隊などでも積極的にムエタイが取り入れられてきました。そして、1940年代に王室系のラジャダムナンスタジアムができ、1950年代に陸軍系のルンピニースタジアムができたことで人気にさらに火がつき、現在では国技として人気のある格闘技です。街中を歩いていると、露店のおじさんたちがスマホでムエタイを観戦している姿もよく見かけます。また、地方の貧乏な人が成り上がるためにムエタイをやるというのも一つの側面でした。生活費を稼ぐためにムエタイの試合に出る子どもたちも多く、選手層も厚く文字通り死ぬ気で取り組んでいました。成り上がるために必死に戦い生き残ってきた選手がバンコクのスタジアムで高額なファイトマネーで戦っていました。

キックボクシングの歴史

キックボクシングは1966年に野口修氏がムエタイ、空手、ボクシングをベースに妥当ムエタイとして作り上げた格闘技になります。現在ではムエタイの牙城を崩した日本人王者が9人います。

妥当ムエタイをはたしたラジャダムナンスタジアムの歴代日本人王者一覧

基本的にはムエタイと同じで両手、両足、両ヒジ、両ヒザを使います。ただ、空手などもベースのため試合では多彩な蹴り技が見られることもあります。設立当時は名のある空手家がたくさんキックボクシング業界に殴り込み、特に「沢村忠」さんが大活躍をし、一世を風靡しました。一時期は大ブームとなりテレビ放映もされていましたが、打ち切り後は下火でした。そんな中1990年代のK-1の台頭により再び人気に火がつき、現在はたくさんのジムができています。そのため、選手だけではなく一般の人向けのフィットネスジムも多く、アマチュアの試合も頻繁に開催されるようになり身近な存在となっています。

ムエタイとキックボクシングのルールとは

ピジュン
ピジュン

ムエタイのルールは一つですが、キックボクシングは団体やその試合によってもルールが少し変わってきます。

ムエタイキックボクシング
入場曲無し有り
ワイクルー(踊り)有り無し
試合中の音楽生演奏無し
ラウンド3分 × 5R3分 × 3R または 3分 × 5R
インターバル2分1分
ヒジ打ち有り有り または 無し
首相撲有り有り
ラウンドガール無し有り
用務員のおじさん有り無し

ムエタイのルール

まずはリングに上がったら、ワイクルー(戦いの舞い)を踊ります。戦いの神様、両親、先生に感謝を込めて踊ります。実際にタイで試合をやる前にワイクルーの練習をしたのですが、本番ではけっこうぎこちなくてタイ人に笑われてしまいました。

試合中はなんと、音楽を生演奏しています。ラジャダムナンもルンピニーも専用の演奏場所があり、とても華やかになっています。

試合は5ラウンドですが、インターバルが2分あります。そのため、2分の間にかなり心拍数がおさまって体力が回復するので、次のラウンドはいい状態で臨めます。さらに、インターバルではイスとその下に敷く鉄板、水を用意していくれるおじさん(用務員)がいるのでラウンドごとに用意してくれます。

採点基準としては、ヒジ、ヒザ、ミドルキックのポイントが高いです。またバランスや見栄えも重要視し、こかされると印象が悪くなります。技もキレイに当たると印象がよくなります。全体としては試合中はパンチの数が少ない印象ですが、タイ人のトレーナーに聞いたら「グローブで殴られるよりヒジや膝のほうが痛いだろ!」と言われましたが、ホントかどうか…

ただ、ムエタイの有名選手どうしの試合ではそれぞれの選手の得意技があって、それを有効に出せていたほうが有利になる傾向です。

キックボクシングのルール

ムエタイでは前の試合が終わったらいつの間にか選手が入っていきますが、キックボクシングの場合はしっかりと入場曲がかかります。また、ムエタイではスタジアムのリングに女性が上がってはいけないのでラウンドガールはいませんが、キックボクシングではラウンドガールがいます。

ルールとしては、3分 × 3ラウンドの試合が多いです。最近では5ラウンドの試合はタイトルマッチやレベルの高い選手どうしの試合の場合だけで少なくなってきています。また、デビューまもない選手どうしではヒジ無しルールの場合もあります。

採点基準としては、審判により多少異なりますがダメージを与える、手数を出して積極的に攻めているほうが判定で有利になる傾向です。

ムエタイとキックボクシングの試合の特徴とは

ピジュン
ピジュン

ムエタイは始めはディフェンス重視で相手をよく見て距離感を測るため、後ろ重心で1ラウンドは驚くほど静かな立ち上がりです。

ムエタイキックボクシング
ヒジ打ち多彩少ない
パンチ、キック前蹴り、ミドルキック多い多彩
重心7:3で後ろ重心人による
賭け有り無し

ムエタイの試合の特徴

ムエタイは国技でもあり、一番の違いは賭けの対象でもあります。そのため、5ラウンドのうちはじめの1ラウンドは賭け師たちが選手を見定めているので、様子見の場合が多くとても静かな立ち上がりです。(ただ1ラウンドから攻めてKOしてしまう場合も稀にあります。)

そして、2〜4ラウンドで白熱した試合運びとなり、4ラウンド目は特に判定のポイントになります。賭け師の盛り上がり方も判定に大きく影響するので、賭け師の「オーエイ」の声にも注目すると面白いです。どちらかが明らかに優勢になれば、5ラウンド目は流すということもムエタイの特徴です。

セクサン vs ルンキットの5R目。

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選手としては、

✅パンチの選手(ムエマッド)

✅ミドルキックの選手

✅首相撲の選手(ムエカオ)

✅テクニックの選手(ムエフィームー)

などそれぞれの得意な技や戦い方を前面に出していきます。得意技をいかに有効に当てるかが大きなポイントにもなります。そのため、練習のミットでも試合前には得意技しか練習しない選手もいます。同じ技を繰り返し、繰り返し練習します。昔、タイ人のトレーナーに同じ技を繰り返し練習させられたのを思い出します。

全体としては近い距離で戦いヒザやヒジが多く、ヒジは縦ヒジや打ち下ろしのヒジ、回転ヒジなど多彩です。また、日本だと下がっているとあまり印象が良くないですが、後ろに下がっていても的確に攻撃を与えていればポイントになります。

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キックボクシングの試合の特徴

3ラウンドの試合も多いので、1ラウンド目から攻めていく選手も多いです。ムエタイだと判定での勝敗が多いですが、キックボクシングではムエタイよりもKO決着が多いです。また、ムエタイと違い下がっているとあまり印象がよくないので、全体的に前に出ている選手が勝つ傾向にあります。基本のキックボクシングとしては、パンチとローキックのコンビネーションになりますが、選手によりそれぞれ戦い方が大きく異なってきます。

選手としては、

✅キックボクシングスタイル(パンチ、ロー中心)

✅ムエタイスタイル(ヒジ、ヒザ)

✅空手スタイル(多彩な蹴り技)

✅テコンドースタイル(多彩な蹴り技)

などさまざまなスタイルがあります。構えや戦い方、繰り出す技も選手により全然違うのでそれも面白いところです。

ムエタイとキックボクシングの違いまとめ

ムエタイとキックボクシングは同じように見えますが、まったく似て非なるものです。ムエタイではキック、ヒジ、ヒザ、首相撲のレベルは驚くほど高いです。400年以上の歴史があり、子どもの頃から培ってきた技術はまさに芸術です。それに対して、キックボクシングはアグレッシブに前に出てKOを狙っていくことが多く、多彩なパンチや蹴り技も見ていて面白いです。ムエタイとキックボクシングにはそれぞれ違いがありますが、どちらにも魅力があります。違いを知った上で見ていくと格闘技観戦がより面白くなっていきます。

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