ムエタイやキックボクシングではパンチ、キック、ヒザに加え、いくつかの種類のヒジ打ちがあります。しかし、実際にムエタイの試合でよく使われたり、ジムでミット打ちをする際によくやるのがノーマルな横から(または斜め上から)のヒジか、縦ヒジが多いです。たまに回転ヒジ打ちなどもジムで教えているところもありますが少ないです。
パンチやキックはなんとなく当たっても、ジムで初めてヒジ打ちをする際には、横ヒジも縦ヒジもしっかりと当たらない場合が多いです。それはどのように打てばいいのかイメージが湧かないからです。ジムでインストラクターをしていても、初めてヒジ打ちをやる人にうまく打てるようにアドバイスをするのに苦戦していました。ただ、タイ語のヒジ打ちの意味から伝えたらイメージが湧いたと言う人も多かったです。
そのため、うまくヒジ打ちを打ちたいけどまったくイメージのわかない人や、指導者向けにタイ語の意味からヒジ打ちについて書きました。
ムエタイに対するタイ語は以下を参照ください。
【タイ語で納得】ムエタイ・キックボクシングのヒジの打ち方!!
ムエタイのヒジ打ち
ムエタイのヒジ打ちは横から、上から下、下から上、回転などさまざまな打ち方がありますが、大きく分けると、
✅打つヒジ
✅切るヒジ
✅飛び込むヒジ
✅突き刺すヒジ
の4種類に分けられます。
ตี ศอก (ティーソーク)
タイ語で「ヒジ」は、ศอก (ソーク)、
「打つ、叩く」が、ตี (ティー)なので、
ヒジ打ち全般は、「ตี ศอก (ティーソーク)」と呼ばれます。
ムエタイの試合の解説でも、ヒジ打ちは基本的にティーソークと呼ばれています。
ティーは打つと言う意味なので、首相撲の時のヒザ打ちでもティーを使います。テンカオではなくティーカオと呼ばれます。
そのため、首相撲の時にはヒジもヒザも含めて「打て」と言う意味で、観客席から「ティー、ティー」と言う声援が聞こえてきます。
ศอก ตัด (ソーク タット)
ตัด (タット)は「切る」と言う意味なので「切るヒジ」を表します。
ヒジをぶつけるように打つのではなく、素早く動かしてヒジの尖った部分で目じりや頭などを切りつけるようなヒジです。
ศอก พุ่ง (ソーク プン)
พุ่ง (プン)は「飛び込む、突進する」と言う意味なので「飛び込むヒジ」を表します。
ムエタイのヒジは首相撲のような近い状態からコンパクトに打つヒジと、少し離れた距離から飛び込むような形で打つヒジがあります。この場合は踏み込みをしっかりとして飛び込んでカラダごとぶつけるようにしてヒジ打ちをします。
ศอก กระทุ้ง (ソーク クラトウン)
กระทุ้ง (クラトウン)は「突き刺す」と言う意味なので「突き刺すヒジ」を表します。
ヒジでジャブを打つとも言われますが、ジャブを打つようなイメージで相手の顔に素早くヒジを突きさすようにして打つ出します。
ムエタイの横からのヒジ打ち
ムエタイの横ヒジは一番基本のヒジ打ちです。腰とカラダを回転させて横または斜め上からヒジを打ちます。ただ、初めて打つ場合はヒジを押すようにして打ってしまう人も多いです。そのため、インパクトが弱くなってしまいます。また距離感がわからず空振りすることも多いです。
ムエタイでの横からのヒジ打ちは、「เหวี่ยง ศอก」 (ウィアン ソーク)とも言い、意味は「投げつける、放り投げる」と言う意味です。
英語では「swing elbow」です。
ヒジを押すのではなく、スイングして投げつけるようにヒジを打つイメージを持つと、当たった時のインパクトが強くなります。まずは横ヒジの距離感やタイミングを身につけていきましょう。
ムエタイの縦ヒジ
横ヒジはなんとなくできるけど、縦ヒジは全くできないと言う人も多いです。ヒジの上げ方やタイミング、角度などが横ヒジに比べて格段に難しくなります。まったくイメージが湧かないと言う人も多いです。
実際に打つタイミングは相手のパンチのカウンターで合わせたり、首相撲で手を取り合っている中でコンパクトに縦ヒジを出すことが多いです。ヒジや手の位置のイメージが湧かない人は、タイ語の意味がわかるとイメージがわきやすいです。
ทัดมาลา (タッマラー)
ムエタイの縦ヒジは、ทัดมาลา (タッマラー)と言います。
英語だと「Flower the ear」と表し、耳に飾る花飾りのことを言います。要するに、手に花を持って耳に挿すような手の動作になります。ヒジを上げると言うとイメージが全然できない人がいますが、手を耳の横に持ってくると言うとすぐにイメージできる人が多いです。
ヒジの尖った部分が前に出ると言うことは、手が後方の頭に向かっていけばいいのです。花飾りを耳に挿す動作と縦ヒジの動作が似ていることからทัดมาลา (タッマラー)と名付けられています。
งัด ศอก (ンガット ソーク)
งัด (ンガット)は「こじ開ける」と言う意味です。
相手のガードの隙間からこじ開けるようにヒジ打ちをします。特に首相撲で組んでいる時にガードの隙間をついて打つ縦ヒジになります。縦ヒジはただ下から上にあげてるだけの人もいますが、こじ開けると言う意味を知ってから縦ヒジをイメージするとわかりやすいです。
ムエタイの斜め上へのヒジ打ち
ムエタイの縦ヒジはまっすぐ上に上げることが多いのですが、たまに斜め上にカチ上げている人がいてそれは違うと思っていたのですが、そういう打ち方もあります。ただ、実際の試合で使うことはほとんどありません。
タイ語では、จุบ ศอก (ジュッブ ソーク)といい、英語では「kiss elbow」と言います。ヒジにキスをするようにヒジを斜め上に上げて顔の前にヒジを持っていくようにしてヒジ打ちをします。
ムエタイ・キックボクシングのヒジの打ち方まとめ
ムエタイやキックボクシングではさまざまなヒジ打ちがあります。特にムエタイではヒジ打ちのポイントが高く技術レベルも高いです。そしてムエタイの試合を見ていても、タイ人はさまざまなタイミングや角度からヒジをコンパクトに打ち出しています。
ムエタイの試合や普段のミット打ち練習では、横ヒジと縦ヒジを使うことがほとんどです。縦ヒジのイメージが湧かない人は、ทัดมาลา (タッマラー)「Flower the ear」の言葉通り、耳に花飾りを乗せる動作をすると、ヒジが自然と前に出るようになります。
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